鴨川ホルモー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2009年2月22日発売)
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本棚登録 : 12096
感想 : 1462
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「プリンセス・トヨトミ」を再読したら、もっともっと万城目ワールドに浸りたくなって、こちらも再読。本当は「プリンセス・トヨトミ」と関係がある(らしい)「とっぴんぱらりんの風太郎」を読もうと思ったのだけど、風太郎がちょっと重めだった記憶があり、今は悲しい読み物はつらいので、軽めのホルモーからにしてみました。

記憶というものは結構曖昧なものだということが「プリンセス・トヨトミ」に続き、よくわかりました。というか私の記憶力に問題があるのかもしれませんが。

初読みのときは、なんという奇想天外な小説なんだ!という、とにかく驚きと、万城目氏のめくるめく面白い文章と京都への憧れと・・・で、「ホルモーは楽しい競技」というイメージだったのですが、なんと十七条ホルモーが行われることになると、チームは二分するわ、黒オニは表れるわ、「陰」の部分もちゃんと描かれていたのですね。きちんと読むと、この黒オニ、めちゃくちゃ怖い。何が襲われているのか、なんでこんなことが夜な夜なおこるのか正体不明なところがまた怖い。主人公安部の友人、高村はホルモーに陰陽道を当てはめて考えるのだけれど、なるほど、と思うところだった。そういえば、主人公の名は「安部」・・・。

そして、あぁ、青春、というところもこのホルモーのいいところですね。憎むほどでもないけれど、恋愛においては策士の早良京子と、一途で不器用な楠木ふみ。なかなか周りがみえていない主人公安部。うまい具合に最後はまとまって、よかったよかった。ビバ、青春。

あとは、何といっても、これを読むと京都の魅力をひしひしと感じます。京都って、なんて魅力的なんでしょう!久しぶりにるるぶなんかを片手に洛中を練り歩きたくなりました。

トヨトミと同じように、こんな奇想天外、斬新奇抜、奇怪千万な万城目ワールドが苦手な人もいるとは思いますが、私は大好きです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月4日
読了日 : 2024年3月1日
本棚登録日 : 2024年3月4日

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