ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014年3月8日発売)
4.21
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本棚登録 : 207
感想 : 18
4

まーくんとポルミンの洋上ラブストーリー。
特に感想はないが、とりあえずイクタ存在感ねーな。
主人公が空気な物語にはあんまり魅力を感じない。
まあ、4巻と5巻の主人公はマシューなんだけどさ。
マシューは脇役としてはいいキャラだけど、ぶっちゃけマシューに主人公は期待してねーんだわ。(笑)
逸脱した配役交代に、ちょっと冷めちゃったのかもしれない。
それもこれも、もうちょっとイクタが存在感を主張し、あくまでもマシューが脇役として舞台に上っていればまた見え方が違ったんだろうけどねぇ。
第四章からはイクタが主人公の座に復帰する。
ということで、六巻を読むときには五巻の四章から読み返せばよい。
五巻後半の流れは勢いはあったけど、さすがに乱暴だったね。
独立連隊の概略くらいどこかでにじませといてくれないと、いくらなんでも唐突過ぎるんじゃない?
それくらいは読み手のほうで補完してもいいのかもしれないけど。
「徽章の元に集う独立連隊」って概念がもともと綴られていないと、イクタの演説に読者はついていきにくいと思うなぁ。
それこそ、皇帝が急死し、軍がイグセムとレミオンに分かれた内戦が勃発。そこでイクタが実は皇族で、第三勢力として正義を唱える、とかの方が「説明が足りない場合は」まだ理解しやすかったかもね。
イクタの母は皇帝の側室だったわけだから、その伏線もあるにはあったわけだしねぇ。
形としては今回の「将軍の遺児であり独立連隊の後継者」の方が面白いとは思うんだけど、それならやっぱり「徽章の元に集う独立連隊」って説明は先になされるべきだったと思うんだよね。
まあ、別にどうでもいいか。

あと前から思ってたんだけどイクタとヤトリの関係やカコバナについていつまで伏せるんだろうねぇ。
あそこまでただならない深い関係性を見せ付ける割には、ヤトリとイクタの馴れ初めや過去のエピソードはまったく語られない。
このあたりも、読者置いてけぼり間がある点だね。
特に、イクタはヤトリに関連するところでキャラ崩壊が起こっちまってる。
当初、イクタは怠け者で戦争を嫌い、軍人になる気がまったくなかった。
だというのに、ヤトリに対しては「君の傍らにいつでもいる」というようなことを言う。
イクタとヤトリは恋人関係とは少し違う。
イクタがヤトリのそばにいるのは友として、ということなんだろうけれど、頭のてっぺんから足のつま先まで「軍人」であるヤトリの「隣に立つ」ということは、それはつまりただの友ではなく、戦友としてってことにしか思えない。
イクタが確固とした意思で「ヤトリの戦友たらん」としているのなら、当初イクタが軍人ではなく図書館の司書になろうとしていたところに矛盾が生じる。
そこ、結構引っかかってるんだよね。
まあ、図書館の職員が友人に助言することも出来るだろうから、ヤトリに対してイクタが協力することは出来たのかもしれない。
それにしても、腑に落ちない。
どうでもいいっちゃいいんだけど、いい加減イクタとヤトリのカコバナ、寄ってたつ土台、基礎は明かしておかないと、いまいち物語に乗れないよ。
ここまで秘すからには、それなりに大きな秘密があるんだろうけど、開示のタイミングって重要だと思うな。

イクタとヤトリの信頼はどのように育まれたのか。
ついでに、ヤトリの戦友ではなく、図書館の司書になろうとしていたイクタが、いまさらヤトリの戦友足らんとしている理由も説明してくれるとすっきりするんだけどね。(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ライトノベル
感想投稿日 : 2014年4月18日
読了日 : 2014年4月18日
本棚登録日 : 2014年4月18日

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