兄弟恋愛 (幻冬舎ルチル文庫 り 1-8)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス (2009年10月15日発売)
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本棚登録 : 113
感想 : 9
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 俊也は、幼い日の桐を助けたことが縁で、妹・美姫と共に、佐倉家に引き取られた。
 佐倉家は少し変わった感覚を持つ両親の家で、実子である桐と藤の双子。
 それから、桐の誘拐をきっかけに引き取られた俊也と美姫。
 そして、両親が早くに他界したため、引き取られてきた桐と藤の従兄弟の寛吉。

 多忙な両親はほとんど自宅に帰ってくることがないため、その五人の兄妹で日々、生活をしていた。
 その中でも、誘拐された直後に、俊也を引き取るように言って聞かなかったという桐は、俊也に対して傍若無人で、あれこれ無理難題をふっかけてきては、俊也を振り回す。
 桐は「美姫のことが好きだ」と言ってはばからないのだが、「高校卒業するまで美姫に手を出さない」と約束していることを理由に、俊也にあれこれお願い事をしてくる。

 けれど、「好きだ」と言われている美姫は、一切本気にしていない様子で取り合わず、また、桐も桐で、それに傷ついた様子はない。

 それどころか、“美姫に惚れてる”はずの桐が俊也に向ける言葉や仕草に俊也がドキドキし始めて――

 という話でした。
 俊也は一度、家族が壊れる経験をして施設に入っていたから、「家族として」とか「家族にならなきゃ」というものに(本人の自覚がないままに)ものすごくこだわっていて、なかなか自分の希望とかこうしたい、みたいなのを言い出せずにいる――という感じでした。

 最後は自分の気持ちをはっきり伝えだした桐に観念してハッピーエンド。

 すごくゆったりしてて、穏やかで、あくせくしたところがないので(じりじりとした焦燥感はありますが)、とってもいい話でした。

「家族」のあったかさと、「兄妹」の良さを再認識したのと。
 そこから踏み出すことの難しさも感じました。

 ほっこりした恋愛話が読みたい人にはオススメします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(BL)
感想投稿日 : 2012年11月21日
読了日 : 2012年11月8日
本棚登録日 : 2012年11月21日

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