表題作や有名な作品はもちろん知っていたが、歌集として読んだのは初めて。
ままごとのような可愛らしい恋もあれば、達観したような視点にドキリとさせられる恋もある。
恋愛の歌だけでなく、不器用ながらも愛情あふれる父と娘の歌、教師の目線から詠んだ歌なども、おもしろい。
おそらく詠み手のリアルな実体験に、ほんの少しのフィクションを効かせたのであろう匙加減が、言葉のみずみずしさを引き立てていて、こういうところが当時の若者にウケたのかなあ、などと想像しながら読んだ。
まるで、カメラのシャッターを切るように、一瞬を31音に閉じこめて、そのまま真空パックにしたような。
それくらい、時を超えても鮮度の高い作品だと感じた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
詩歌
- 感想投稿日 : 2022年6月23日
- 読了日 : 2022年6月21日
- 本棚登録日 : 2022年6月23日
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