大人になる前のジェンダ-論

制作 : 浅野富美枝 
  • はるか書房 (2010年4月1日発売)
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本棚登録 : 25
感想 : 4
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「大人になる前の」と書いてあるが、大人でも必要なことが書いてあったりするので、だれでも読むチャンスがあったら読んでほしい本だと思う。多くの章はジェンダーというより人生論なんだけれども、つまりは若い人が現在や将来のことを考えるとき、性別とかセクシュアリティがどれほど重大(制度として編成されてさまざまな抑止をうみだしている、という点で)かがよくわかる。モテ問題、デートDV、トラブルが起こったときのこと、親との関係、将来設計などのテーマを数人の学校の先生が分担して書いている。あえて言えば、先生方が若い人を意識したことによって、TV番組や漫画などを用いた説明がなされたりしているが、これについては注などが用意されてなくて、分からない人もいるのではないか(昔ほどは、皆が同じものを見て同じものを読んで、というわけじゃないし)、古典にはなれないなぁ、というあたりか。文章は易しくかつ軽快で、ワタシは一晩で読んでしまった。学生やフレッシュマンのコラムもあり、性的少数者のことも少し目配りされている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会・ジェンダー
感想投稿日 : 2010年4月19日
読了日 : 2010年4月19日
本棚登録日 : 2010年4月19日

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