暫く、多分3年ぐらい、ぶりぐらいのライトノベル。本シリーズの名前は勿論聞いた事がありずっと気になってはいて、今回市民図書館で見かけたので手に取る。
曰く、「ガチ将棋押しかけ内弟子コメディ、今世紀最強の熱さでこれより対局開始(スタート)」だそうだ。16歳の若さながら、所謂竜王ドリームを実現しタイトルを手にした九頭竜八一だったが、タイトルの重圧から自分の指したいように指せなくなり黒星が続いていた。そんな彼の元に小学3年生の雛鶴あいがやって来る。「約束どおり、弟子にしてもらいにきました!!」… 最初は戸惑う八一だったが、彼女の将棋に対する直向きな情熱、そして劣勢でも決して諦めない心に、失っていた自信を取り戻していく、みたいな話。1巻は、あいが研修会への入会試験に合格し、正式に八一の内弟子になるところまで。
期待以上の良作。ラノベだから、とか勝手に思ってたが、対局中の、手に汗握る感じ、熱さの描写が秀逸。リアル対局はやっぱりいいねぇ。部分部分で挟まれる将棋界のエピソードも将棋ファンにとっては嬉しい。それからキャラクターもいい感じ。16歳で竜王(八一)も大概だが、3週間で『図巧』を全題解き終える(あい)とかどんな化け物だよ、とは思うが。2歳で将棋覚えちゃうのも(銀子)。あと、全体に占める女性の比率はおかしい。将棋を指す女子、こんなにはいない(はず)。主人公が鈍いのはお決まりのパターン。
欲を言えば、どういう将棋を指しているかの描写が少なく、そこだけはちょっと不満、というかどうしても気になって仕方がない。図面を載せて欲しい…。もう一つ言えば、ちょこちょこ入る顔文字と語尾の(笑)がうざい。
冒頭いきなりの下ネタには笑ってしまった。「まだ幼女といっていいほど幼い女の子相手にこんなにも固くしている自分に罪悪感を覚えながら、けれど俺は固くすることをやめられなかった。」クズですね。
- 感想投稿日 : 2020年3月2日
- 読了日 : 2020年3月1日
- 本棚登録日 : 2020年3月1日
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