叶えられた祈り (新潮文庫)

  • 新潮社 (2006年7月28日発売)
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本棚登録 : 523
感想 : 42

カポーティは1作ごとに、実験的な試みを課していた。その典型的なのがノンフィクションに徹しようとした『冷血』であり、その圧倒的な成功は作家の頭から離れなかったようだ。今回もセミドキュメント風の手法をとっているのだが、内容的には文壇(サルトルやサリンジャーも登場)やアメリカ社交界(こちらにはジャクリーン・ケネディ姉妹も)のスキャンダルの暴露といったものになっている。主人公のジョーンズは、もちろん戯画化されたカポーティだが、彼はあくまで社交界の人ではなく、それを熱く羨望しつつも冷ややかに眺める人だったのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆アメリカ文学
感想投稿日 : 2013年9月25日
読了日 : 2013年2月22日
本棚登録日 : 2013年9月25日

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