カポーティは1作ごとに、実験的な試みを課していた。その典型的なのがノンフィクションに徹しようとした『冷血』であり、その圧倒的な成功は作家の頭から離れなかったようだ。今回もセミドキュメント風の手法をとっているのだが、内容的には文壇(サルトルやサリンジャーも登場)やアメリカ社交界(こちらにはジャクリーン・ケネディ姉妹も)のスキャンダルの暴露といったものになっている。主人公のジョーンズは、もちろん戯画化されたカポーティだが、彼はあくまで社交界の人ではなく、それを熱く羨望しつつも冷ややかに眺める人だったのだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
☆アメリカ文学
- 感想投稿日 : 2013年9月25日
- 読了日 : 2013年2月22日
- 本棚登録日 : 2013年9月25日
みんなの感想をみる