ショーシャンクの空に [DVD]

監督 : フランク・ダラボン 
出演 : ティム・ロビンス  モーガン・フリーマン  ウィリアム・サドラー  ボブ・ガントン  ジェームズ・ホイットモア 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
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感想 : 674
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名作と名高い作品だとは聞いていて、あの雨を全身で受けるポスターの印象とあいまって、仕事をずる休みしたときの癒しにAmazonプライムで鑑賞。
もっと昔の作品だと思っていたけどモーガン・フリーマンが出ていた。1994年だからそこまで古くないようだった。
妻とその愛人を殺害したという冤罪によって、刑務所に投獄された銀行員の男が希望を捨てずに生き抜いていくヒューマンドラマ、らしい。落ち込んでいるときにはちょうどいいかなとは思ったけれど、そこまで希望を押し付けてくるようなごり押し感動ストーリーじゃなかったからとても受け止めやすい。
ショーシャンクという刑務所の中で調達屋をしているのがモーガン・フリーマン演じるレッドだ。終身刑のまま、登場時点で数十年経っていた。全編通じてこのレッドからの視点で独白が挿入されるも、彼の語り口は優しく耳心地が良い。
希望を捨てずに生き抜いてく、とは言ったものの、投獄された銀行員の男アンディが有能だから当たり前といったら当たり前だ。彼は持ち前の頭の良さと粘り強さでショーシャンクに様々な機転を起こしていく様が気持ちが良い。
ショーシャンクという牢獄に閉じ込められ、数十年と生きている囚人たちはどこか暢気で気楽だ。確かにそこには暴力と死と荒廃が隣り合わせに存在しているものの、彼らは当たり前のように退屈な毎日を過ごしている。アンディは希望を捨てずに成果を上げていくことも、もちろん彼の忍耐と能力には驚くが、数十年も過ごせる彼らも尋常ならざるものを感じた。ただの慣れなのかもしれないけれど。
慣れてしまえば何でも平気になってしまうのかもしれない。けれど彼らの慣れの行く先には死が待ち構えている。ブルックスがいい例だ。塀の外こそが本来の現実であっても、仮釈放は死を意味する。年老いた身で、何も知らない世界に放り出され、一生元終身刑の受刑者という烙印を押されたまま生きていかねばならない。それはとてつもなく険しい道のりで、彼らがもし活力溢れ希望に満ち満ちている人間なら可能かもしれないけれど、そんな心地は刑務所の中で擦り切れて失ってしまっていることが常だ。社会から死ねと暗に通達されるのはどのような気持ちなのだろう。想像できないほど恐ろしい。
最後にレッドとアンディが再会できて良かった。『ショーシャンクの空に』希望を捨てずに逞しく生き抜いてく、というのは少し違うように感じた。励ましたり、力づけるというよりは、偶然に出会うことができた二人の友情の長い話のようだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2017年9月16日
読了日 : 2017年9月16日
本棚登録日 : 2017年9月16日

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