清水潔というFOCUSの事件記者が真実を追い求めた「桶川女子大生ストーカー殺人事件」を、しがない三流雑誌記者(自称)の目を通して追体験できる手記です。
この事件は、地元から4キロほどのところで起こった事件だったこともあり、現場は小さいころから映画を見るために頻繁に足を運んだこともあって個人的にもとても興味深い事件でした。
大学に入り、「犯罪被害者報道の現代的課題」についてのシンポジウムが日弁連主催で開かれることを知り、日比谷まで足を運んだことがありました。その会場でパネリストとして参加されていたのは、事件当時「ザ・スクープ」という番組のアンカーをなさっていた鳥越俊太郎氏。彼の誘いで事件の被害者遺族、猪野京子さん(詩織さんの母)もいらっしゃっていました。
このときから俺のこの事件に対する興味は再燃し、多数の裁判記録や書籍、テレビ番組などを自分なりに調べてきました。その中でも本書はもっとも早く真犯人を特定した雑誌記者が書いたものであるため、その秘めている訴求力は他のどの本にも劣らないものであると思います。
自分の町を管轄する上尾署の失態や、大手マスメディアの過大なメディアスクラム、その他さまざまな問題点を露呈させたこの事件は今後風化させてはならないものだと思います。
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- 感想投稿日 : 2006年9月2日
- 本棚登録日 : 2006年9月2日
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