怪獣少年の〈復讐〉 ~70年代怪獣ブームの光と影

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  • 洋泉社 (2016年12月10日発売)
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感想 : 1
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●→本文引用

●福井(前略)ウルトラマンっていうヒーローそのものは時代と寝ないでバンと屹立してんですけれども、お話っていうのは本当にもう、高度経済成長の最後の勢いの時と、それが陰りを見せてた時と、あと石油ショック以来の「あ、そうか物事には限りがあるうだ」って知っちゃった人たちのある種の絶望感というのか閉塞感みたいなものっていうのが、もう第二期シリーズうっていうのはすごい濃厚にでて。で、第二期シリーズの頃になると所謂全共闘崩れの人たちっていうのがおそらく製作スタッフの中にも相当入ってきてるんだろうなっていうのがあるから、言ってみりゃATGの当時やってたようなね、あの辺の空気っていうものを、ゲリラ的に俺たちもちょっと、ここら辺はどうせわかんないだろ?っていうようなところでチョコチョコやってみたりしてるような。70年代って結構そういうのが少なくないじゃないですか。俺らたぶんそういうのを見たからおかしくなっちゃったと思うんですけど(笑)。でもまあ、要は「既成の価値観を疑え」っていうメッセージですよね。それはもう本当ウルトラマンを代表として、70年代の頃からもう、ワンワン、「俺たちは闘争に負けちまったが、だからといってこの世を肯定していいってものじゃないんだ、お前らガキそのことだけは憶えておけ」っていう声がね聞こえてくるわけですよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2017年に読んだ本
感想投稿日 : 2018年1月14日
読了日 : 2017年5月29日
本棚登録日 : 2018年1月14日

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