二十歳の終わりから,二十四歳までの歌をおさめた,俵万智さんの第一歌集。
有名なサラダ記念日の歌や,
〈君のため空白なりし手帳にも予定を入れぬ鉛筆書きで〉
といった,初々しくて甘酸っぱい,若い女性の共感を集めそうな歌が多く見受けられた。
「表現手段として,私は歌を選んでいる。惚れてしまったのだ,三十一文字に」
十分な余白をあけて並べられた歌からは,俵さんの歌に対する愛が伝わってくる。
〈今我を待たせてしまっている君の胸の痛みを思って待とう〉
もし現実世界にこんな可憐な女性が存在していたら,たぶん,惚れてしまうだろうな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
詩集・歌集
- 感想投稿日 : 2018年9月30日
- 読了日 : 2018年9月30日
- 本棚登録日 : 2018年9月30日
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