ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2011年3月18日発売)
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感想 : 81
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アメリカウェブ哲学の話し。
多分拾いきれてないので、評価は本当に気持ち程度。
あの東海岸の時代/ヒッピーの/水瓶座の世紀、縛るものからの究極の自由を探すあの価値観にシンパシーを覚える人ならば、本当に興味深く読めたんじゃないかな。
スティーブ・ジョブズの有名な講演の最後のセリフ
「stay hangriy,stay hoolish」はHole earth catalogの最終号の背表紙のセリフだったのだね。

僕が関心を持ったのはこのくだり。
・20世紀を通じて材料工学が進歩し、機械的な制御も半導体チップのように極小化されるに従い、形状は機能から解き放たれ、むしろ自由なものになった。バウハウスの頃とは主従が逆転し、デザインそのものが使用価値を決定する事態も現れた。つまり、デザインが主体で形状がそれに従い、機能の良し悪しもデザインの良し悪しを通じて評価されてしまうような時代となった。それが20世紀後半のデザインの役割だった。
今、問題となっているのは、それがさらに進み、むしろ、デザインがより広く問題解決のための方法論として捉えられるようになったことだ。そこでは、事実上、デザインは設計と同義だ。その反面、単なる意匠としてのデザインは後景化する。少なくともG20時代に、世界商品を前提にした時代では、設計≒問題解決としてのデザインが前景化する。

さて、組織論では未だ機能が形状を決定すると言われている。作りたい物は組織の形に現れるのだ。これから何かが革命を起こすとしたら、産業革命が工業の効率化をもたらしたように、生産の大きなウェートを占めるようになった、サービスに変化が現れるだろう。それが今の日本から生まれないだろうな、とどうしても感じてしまうのは、stay hungriyが難しい社会だからなのだろう。高度経済成長は、政府が力を失ったから起きたんだろうね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2012年2月15日
読了日 : 2012年2月15日
本棚登録日 : 2012年2月15日

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