書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで

  • 紀伊國屋書店 (2019年2月28日発売)
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本棚登録 : 498
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過去に行けるのなら、アレクサンドリアの大図書館に行ってみたい。およそ5,000年前の文字の発明により、人類は頭の中で考えていることを取り出して保存し、より多くの人に伝えることが可能になった。そして、それは書物の破壊の歴史の始まりでもあった。本書は書物破壊の愚行を延々と綴ったものだ。日本の応仁の乱の戦禍にまで触れる徹底振りに驚かされる。本書を読むと、今、ギリシャ時代の古典を読めていることの奇跡と、その一方で失われて読めなくなってしまった書物に思いが行く。
折しも日本のニュースでは、政治家主導で公文書が"遅滞なく速やかに"破棄されているという。愚行は今も繰り返されている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年11月30日
読了日 : 2019年11月30日
本棚登録日 : 2019年11月21日

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