頼山陽とその時代(上) (ちくま学芸文庫 ナ 25-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2017年3月8日発売)
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感想 : 3
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☆4.5 頼山陽は精神病だった
 吉田松陰を知るにあたり、松蔭が影響を受けた頼山陽の伝記を読まうとおもった。

 精神病視点で頼山陽を捉へるこころみで、中村自身の鬱病的経験を踏まへてゐる。さう照し合はせてみると、かなり的を射てゐる。そして精神病にもとづく推測が剴切に思はれてくる。

 徳川期の遠い時代といふ印象の人物が、いつのまにかわれわれに卑近に迫ってくる感じだ。両親の厳しさと甘やかしは、いまと変らない。

 徳川期になかった概念(当時は狂人扱ひしたもの)を、近代の精神病として捉へることで、頼山陽の実像が理解できる。
 私としては、頼山陽は発達障害をかかへてゐたのではないかとおもった。

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感想投稿日 : 2024年1月12日
本棚登録日 : 2024年1月12日

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