妖精と魔法の出てくる話。
であることは間違いないですが、上に書いた言葉の響きとはまったく違った先進技術でようやくたどり着くであろう科学を妖精が持っているという設定から広がっていくこの物語の展開に読み進めるごとにワクワクが増していきます。
登場キャラも皆魅力的で、特に技術屋のケンタウロス、フォーリーが登場するシーンは会話も展開も好きな感じの場面が多かったです。主人公アルテミスについては、妖精側で後日書かれたであろう報告書の表現がエピローグにあるのが読みきってもワクワク気分が残る良い(好きな)終わり方でした。
その装置を壊すことなく部分的に変えるのは、並たいていのわざではなかった。妖精と人間のテクノロジーは、とても両立しがたいものだった。ハンマーで心臓手術をするようなものだった、と思っていただければいい。(P107)
ルートが現場で働いていたころには、上等なポリマーのシートベルトも、自動制御ロケットエンジンも、外をみるモニターもなかった。勘とちょっとした魔法にたよるしかなかったのだ。ある意味で、ルートはそのほうが好きだった。科学は、あらゆるものから魔法を奪ってしまう。(P113)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年12月1日
- 読了日 : 2013年12月1日
- 本棚登録日 : 2013年11月23日
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