文学少年と運命の書 (TEENS' ENTERTAINMENT)

著者 :
  • ポプラ社 (2014年9月4日発売)
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本棚登録 : 106
感想 : 16
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中国を舞台にした文学好きな少年の冒険物語。玉策という人の天命が記されているという秘宝が、実は人の形をして主人公の少年と出会ったことから、様々な事件に巻き込まれていく。
スムーズな話の展開で、とても面白かった。
この作品とは、NHK FMの青春アドベンチャーで出会ったのだが、原作を読んで青春アドベンチャーの再現度の高さに驚いた。また、非常によく、物語の世界が表現されていたと思う。ラジオドラマを聞かれたことのない方は、是非きいてほしいです。
作者が中国文学に精通していることと、舞台が中国であることから、作品中に時折中国古典への言及がある。これが読者の好奇心を引き出すか、距離感を感じてしまうか、悩ましいところ。私個人的には、三國志を愛読したことや、酒見賢一氏の孔子を主人公にした小説を読んだりしたこともあり、好感が持てた。
惜しむらくはタイトル。「文学少年と運命の書」で活発な冒険譚を期待して読む読者は果たしてどれほどだろう。もっとキャッチーなタイトルがありそうにも思えるのだが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2020年10月31日
読了日 : 2020年10月29日
本棚登録日 : 2020年10月31日

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