単行本で手に入れた「家守綺譚」が内容もカバーもすばらしくて、できれば続編も単行本で本棚においておきたいとおもっていた。文庫を待つ手もあったが、こんかい手に入れることが出来たので喜んでいる。行方不明になったゴローを探しに鈴鹿へ足を伸ばす主人公は、今作でも生き物のすべてを五感以上の感覚でもって享受する。隣のおかみさんはじめ、遠出した先で出会うひとや景色のなんと朗らかなこと。自然というものが、生き物と呼ばれるものがただそこに“ある”ことがこんなに心地いいのは、この作者の手腕によるのだろう。終わりかたも良かった。
読書状況:読み終わった
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梨木香歩
- 感想投稿日 : 2017年2月28日
- 読了日 : 2017年2月28日
- 本棚登録日 : 2017年2月27日
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