ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫 う 19-9)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年1月7日発売)
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本棚登録 : 1015
感想 : 83
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大学教授が話題の問題や若者についての考察やメディアについての愚痴等を述べた論評を30本くらいまとめた単行本。

読んだ感想を率直に述べるならば、「最近のおじさんはよく喋るなぁ、いや昔からそうか」です。
割と良いこと言ってそうなので、よく聞いた方がいいかもしれないとは思う。

特に面白いと思ったのが、
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彼らは「やりがいのある仕事」を求めて、たびたび転職したりする。
この場合の「やりがいのある仕事」という言葉を彼らは「受験勉強と同じような仕事」という意味で使っている。つまり、自分で選択した仕事における自分の努力の成果が、他ならぬ自分宛に、客観的評価を受けて、決められた時日に、開示されるような仕事のことである。
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残念ながら、ほとんどの仕事はそういうふうには構造化されていない。
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どうして若者は上手く働けないのか?という質問に対する筆者の回答なのだが、なるほど確かに受験勉強などは努力と評価が分かりやすいものだったし、それしかやっていない若者が周りと成果を共有する「仕事」に対して違和感を持つのは当然だと納得させられる。

大学教授の論評を聞きたい人におすすめ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2022年11月16日
読了日 : 2022年4月25日
本棚登録日 : 2022年1月6日

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