前作ほどの切れ味ではないとはいえ、趣向としては面白いのではないかと思う。作り物めいた実験的空間としての舞台と物語をどう捉えるか、そこに違和感がどれほどあるか、というのは俎上に上がる作品ではあるとは思うが、こういった作品特有の面白さもある。「犯人探し禁止」という目新しさは、それだけでは少々地味だが、犯人を見破った上で俯瞰するとかなり計算されたミステリとして楽しめる。ロジックも美しく決まっているので、インパクトよりも構成力が見事な作品。おそらく再読の方がずっと面白い作品だろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ・推理
- 感想投稿日 : 2024年2月18日
- 読了日 : 2023年12月10日
- 本棚登録日 : 2023年9月21日
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