家族でハイキングにきた9歳の少女が、道に迷う。
そして彼女のサバイバルが始まる。
結論からいいますと、ものすごーーーーーーーっくいいです。
も、最後号泣だったもんね。それも、ネガティブじゃなくてポジティブに。いいもの読んだよ。
キングって、最後が「ああああ」ってなるのが多いんだけど、これは大丈夫だからねっ<誰に言ってるww
迷う前に彼女の家族のことが描かれるんだけど、も、彼女の健気さに胸が熱くなる。
でもって、トム・ゴードン(アメリカの野球選手)に対する彼女の純粋な思い。読んでる時、とくに始めの頃は、このタイトルはちょっとねぇと思ってたんだけど、最後にきたら、このタイトルしかないなって思った。
人を動かすのは、人だし、強い思いは、糧になり理由になり意味にもなる。
キングらしい、ホラーチックなところもあるけど、かなりトーンは落ちてる。が、そのトーンの落ち方がリアルで、怖いんだけどね。(幻を見るにしても、オヤジが作家である「シャイニング」の主人公とは全然違う。9歳の子供の考えるものっていうのは、やっぱり限界があるわけで…。
このペンの制御の仕方が、キングをキングたらしめてるんだろう。
キングの根底に壮大に流れているリアリズム。
うん、キングは、リアリズムの作家なのだ。
にしても、私は常々、子供はボーイスカウト&ガールスカウトに1.2年は入るべきだと思っている。それは、礼儀作法もあるけど、アウトドアでのサバイバルや救急措置なんかを勉強できるからだ。
実際、それを知っていてもそうやって動けるか、というのは別問題だ。けれど、何も知らないことはパニックをもたらす。知識があれば、少なくとも落ち着いて行動できる。
同じように、子供だって護身術を知っておくべきだと思う。
何かあった時、一番怖いのはパニックになって自分で自分を制御できなることなんだ。
という気持ちをさらに強くした本書。
ちなみに彼女は、キノコはよく知らない、けど、毒があると半端じゃない、ってことでキノコは食べませんでした。
9歳なのに、エライ。
- 感想投稿日 : 2010年5月9日
- 読了日 : 2007年7月9日
- 本棚登録日 : 2007年7月9日
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