「崖の館」「水に描かれた館」と続いた館三部作の最後。
両親をなくした4歳の千波は、運命に導かれるように青年学者吹原にひきとられる。彼女には、崖にそびえるガラスの館の記憶があった。
前2作は確実につながっているのだけど、「夢館」はまず千波って死んじゃったんじゃないの? これは前日譚? いや、吹原って「水に描かれた館」ででてきてたし…と、混乱します。
ま、ある意味ミステリーというより、ファンタジー、もしくはSF。
文体は、佐々木丸美ならではの耽美っぷりなので、ありないだろうって展開も不思議とありえる感じがするのであった。
うん、これが一番読みやすかったな。…単にあの文体になれただけ??
にしても、きっと発表当時はポエム文化全盛で、それに乗ることができたけど、ミステリーとしては扱われてなかった。が、今、ポエム文化が衰退しミステリーも様々な手法や様式が入り込んできて、ミステリーとしてカテゴライズされるようになったというのは、なんか因果な感じがする。
つか、佐々木丸美に「あなたはこの作品と通して何をみるのか?」と問われている気がする。
多分、これは胸の奥底の何かを見出すための物語なのだろう。
同時収録に「肖像」
秀作だけど、つめが甘いかなww
読書状況:読み終わった
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邦人作者名 さ~そ
- 感想投稿日 : 2010年5月8日
- 読了日 : 2007年5月8日
- 本棚登録日 : 2007年5月8日
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