90年代前半に放映された、有名人の短期間のTV講義をテキスト化したもの。
本書は5名分の講義を取り上げているが、私は中でも淀長さんの美学入門と荒俣先生の図像学入門をプッシュしたい。
淀長こと淀川長治さんの美学入門は、必然的に映画の話になるわけだが、現代人が失ってしまった(と彼が考えている)愛、粋について、大好きな映画を引いてこれでもかと熱く語るのを見る(読む)と、こちらも熱くなる。観たことのない映画を観た気にもなってしまう。いや、観たくなるのは間違いない。
荒俣先生の図像学入門は、表現こそ荒俣流なれど、「観るな、読め」の話などは図像(決して美術とは言わない)を観るときだけでなく、人生の様々な文脈に適用できる、奥の深い話だ。言い過ぎだろうか。
文庫でもあるし、この2本を読むだけでも十分元取れ感はある。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2010年10月18日
- 読了日 : 2010年10月18日
- 本棚登録日 : 2010年10月18日
みんなの感想をみる