子どもって本来、残酷なものに対する興味と耐性はおとなよりあるのだと思う。
それはたぶん、何も知らないから。知らないからこそ、恐れを知らずに平気でそういうものを楽しんだりする。
大人はもういろいろと知ってしまって、痛がり屋、怖がり屋になっていて、そして、他人の痛みを我が事として考える経験も積んでいるから、子どもよりも早くブレーキがかかる。
この本は、ブレーキのかからない子どもの無邪気な残酷さがすごく良く出ているような感じ。
そして、……悲惨な物語の中で、子どもはブレーキのかけ方を痛烈な経験から学んでいく、というような。
男の子と、一部の数少ない女の子のための、あたらしい残酷童話。
たぶん、この物語が残す何かは、大人になってもまた新しい意味を持って響き続けるのだろうと思う。
大好き。
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カテゴリ:
幻想・ファンタジー
- 感想投稿日 : 2008年5月29日
- 本棚登録日 : 2008年5月29日
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