「水葬楽」
平均寿命が異常に短い近未来のグロテスクなSF。兄弟(解説では兄妹になってたし私も最初はそう思ったけど、冷静に設定を考えたら兄弟だよね?)が実は・・・というのはまあわりと早い段階で予想がつきましたが、奇妙な美しさのある作品。
「猫舌男爵」
これ実は結局「猫舌男爵」という小説そのものは読ませてもらえません(気になるよう!)。ポーランド人の青年が偶然みつけた日本の本「猫舌男爵」を翻訳した、その「あとがき」と、日本から寄せられた感想や、日本語の師匠からの苦情、その他もろもろで構成されていて、かなりユニークで面白かったけど、個人的には「お願いだから小説・猫舌男爵を読ませて!」というストレスがたまりました(苦笑)
「オムレツ少年の儀式」
タイトルもなんだか可愛らしいし、ちょっと足穂っぽい印象で始まったのに意外な結末。
「睡蓮」
精神病院で亡くなった女性画家の半生を、時系列を逆にして本人および周辺人物の手紙や日記で遡ってゆく構成が面白い。
「太陽馬」
戦時のロシア、ドイツ移民、コサックと、部分的に挿入される不思議な作中作、もろもろ含めて作者のお得意ジャンルで、長編としても十分書けそうな題材でした。
読書状況:読み終わった
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○皆川博子
- 感想投稿日 : 2014年11月13日
- 読了日 : 2014年11月12日
- 本棚登録日 : 2014年11月7日
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