東日本大震災発生後、瞬間に大量の遺体が発生するという未曾有の事態に人々はいかに『遺体』と向き合ったかという凄まじいルポ。
当事者たちへの綿密な取材に基づいた淡々とした描写に、否が応でも当時の状況が想起されて迫ってきます。
震災後の状況がいかに凄惨であったか。そして、そのような状況の中でも人々は人間らしい心を失わず、いかに『遺体』に向き合い送りだしていったか。
著者あとがきに、「復興とは家屋や道路や防波堤を修復して済む話ではない。人間がそこで起きた悲劇を受け入れ、それを一生涯十字架のように背負って生きていく決意を固めてはじめて進むものなのだ。」とある。まさにその通りで、人間は悲しみを引き受けて初めて前へ進めるものなのだと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ルポルタージュ
- 感想投稿日 : 2011年12月26日
- 読了日 : 2011年12月26日
- 本棚登録日 : 2011年11月11日
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