今回も須田の推理が冴えわたっていました。本作で描かれている姿との対比でその冴えがより一層魅力的に感じます。また須田以外の面々も非常に味がある、”安積係長とその素晴らしき仲間たち”、というサブタイトルをつけたいくらいのシリーズですね。
事件のほうはというと、難解なトリックはなく、根底には人間関係が横たわっており、そのもつれた糸を解きほぐしながら真相に迫る姿がよみどころでしょう。警察組織内部の対立という障害もありつつ、でも最後は「正しいこと」を貫きとうそうとする安積に軍配があがるという展開もちょっぴり勧善懲悪的で読み手としては留飲がさがる思いです。物語の終盤、捜査本部を去る際に相楽警部補に対して言ったセリフが安積の真骨頂ではないかと思います。
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- 感想投稿日 : 2020年10月22日
- 読了日 : 2020年10月9日
- 本棚登録日 : 2020年10月8日
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