閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

  • 早川書房 (2012年2月23日発売)
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インターネットはこれまで手に入れることに労力を要した情報が簡単に手に入るようになり、情報の世界が広がるツールであった。しかし、フィルターバブルによりインターネットの世界が狭くなっているようだ。
しかも、そのフィルタリングのアルゴリズムが公開されておらず、一企業によってコントロールされていることに気がつくと少し恐ろしくなる。インターネット上で裸の王様にされているような気分だ。

さらに、ユビキタスコンピュータの世界になれば、現実世界においても身の回りが全てフィルターバブル化されてしまう可能性がある。リアルの中にバーチャルが入り込んできて、ゆくゆくはバーチャルの中にリアルが取り込まれていまう。まるでSFの世界のようであるが、どうやら既に始まっているようだ。

しかも、個人のDNA情報とまでリンクされると人間がコンピュータの意のままに操られてしまう。その時の人間の意思とはいったい何なんだろうか?
もし、コンピュータが監視社会における権力者の支配下にあれば、大衆が権力者の思うがままにコントロールされてしまう。現在中国でおこっているとこは対岸の火事ではないのだ。

人間がコントロールして、自由であるべきインターネットのビジョンを我々が守り続けなければ、どんどんつまらないもの、恐ろしいものになってしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年6月5日
読了日 : 2014年6月5日
本棚登録日 : 2014年6月5日

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