本で床は抜けるのか

著者 :
  • 本の雑誌社 (2015年3月5日発売)
3.25
  • (9)
  • (39)
  • (70)
  • (17)
  • (3)
本棚登録 : 618
感想 : 82
5

快調なペースで増え続ける蔵書。本を整理する時間があったら本を読みたい。そんな矛盾を抱えつつ増え続ける蔵書に頭を悩ましている方にお勧め。ただし、この本を読んでも何も解決しないかもしれない。

文筆業であれば、書庫を建てるのが理想だろう。趣味で本を読んでいるしがない身としては、一本でも本棚を持てれば良い方である。書庫を夢見ながら、一本の本棚を活性化させることにより、本に囲まれた感を出して至福のひと時を過ごすのが精一杯ではないだろうか。

本棚は個人の脳の外部記憶装置であるため、その存在や増殖について家族の理解を得るのは難しい。しかし、実体としての本が存在する意義は大きいため、本の増殖と整理というジレンマに悩まされ続ける。

レコードや写真の例を見るまでもなく、コンテンツがディジタルデータ化することにより、実体が流通しなくなり目の前から消えていく。それと同時にアナログの不便さを克服する楽しみも奪われてしまった。

幸いにも本はまだ実体として流通している。我々は本を最後の砦として、アナログ感を楽しみたい。もうこれ以上実体を失いたくないのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年3月29日
読了日 : 2015年3月29日
本棚登録日 : 2015年3月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする