書き出し小説

制作 : 天久聖一 
  • 新潮社 (2014年12月18日発売)
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本棚登録 : 410
感想 : 33
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たった一文(もしくは数行)で、読み手の想像力が無限に喚起される。種田山頭火や尾崎放哉などの自由律俳句を読んでいるような、そんな気分にさせられる。説明はまさに蛇足であり、読み手にすべてを委ねた姿勢は潔く、そして、言葉の力、面白さを存分に味わうことが出来る。

私が好きな作品は以下6作品。
※ネタバレ含みます。






「メールで始まった恋は、最高裁で幕を閉じた。」

「子どもが母親にお菓子をねだっている。おばさんはカートを体のように扱っている。肉に半額のシートが貼られた。レジは空いている。私はスーパーでフラれた。」

「朝顔は咲かなかったし、君は来なかった。」

「父の七回忌に、私にそっくりな女が焼香に来た。」

「友人がそろばん教室に通っていた頃、私はビームを出す練習ばかりしていた。」

「プールに浮かぶ月は彼女のバタ足にゆらゆら揺れた。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月8日
読了日 : 2017年8月8日
本棚登録日 : 2017年8月8日

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