リラと戦禍の風

著者 :
  • KADOKAWA (2019年4月18日発売)
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本棚登録 : 151
感想 : 30
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第一次世界大戦の時代を舞台にしたファンタジー。魔物が暗躍する世界を描いているが、魔物が主役ではないと思った。戦争が人を破壊して人間ではなくなっていく、一方で魔物は魔物の欲求を満たすべく暗躍するが、その方がよほど人間らしいという逆転現象が起こる。ドイツの兵士だったイェルクは不老不死の魔物になる。人間を救うためだ。魔物のニルは戦争の“無”を表現していると感じた。リラはポーランドの少女。吸血鬼をモチーフにした伯爵と住んでいる。両親はいない。イェルクはリラの護衛として伯爵に雇われている。改めて作品名を見て、戦争でもっとも被害を被るのはリラのような子供なのだなと再認識させられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2021年12月17日
読了日 : 2021年12月17日
本棚登録日 : 2021年12月8日

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