2022年本屋大賞発掘本。江戸時代の寒村を舞台に、村が生き残るために昔ながらの策を実行している。それは、夜に近くを航行する商船を塩焼きの炎で浜におびき寄せ、座礁させて積み荷を奪う“お船様”。いけないことではあるが生きるためには仕方がないこととして認識されている。実際に、お船様のおかげで米を食えたり、人をきつい労働の出稼ぎに出すこともなくなる。生き延びるための犯罪なのだ。ある時、赤い服をまとった死人ばかりの船がお船様として村に漂着する。その服を奪ったばかりに村は天然痘が蔓延る。お船様の功罪と同時に、絶望的な状況に恐怖した。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文芸
- 感想投稿日 : 2022年4月27日
- 読了日 : 2022年4月27日
- 本棚登録日 : 2022年4月17日
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