図書館で半年くらい待ってやっと読むことができた、湊かなえ女史による小説です。彼女の作品は「高校入試」以来です。この本は、母親と娘の間で起きた事がテーマになっています。
思い起こせば、私が子供のころ(中学生2年生位まで)は、忙しい父親は余裕がなかったようで、主に母親によってひかれたレールに従って、色々なことをやってきました。
なので子供のころは本当に忙しかったです、放課後に遊べる曜日がありませんでした。小学生低学年のころは、それが当たり前だと思っていましたが、3年生を超えるころには「なぜ私だけなんだろう」と思い始めたのを覚えています。それでもどうすることもできず、変化があったのは、4年生の最後に東京から神戸へ引っ越しをすることになり、3月の上旬に、習い事(合唱団、ピアノ、書道、塾)を全てやめて、時間ができ、数週間程度でしたが、放課後にクラスの友達と遊ぶことができたのが嬉しかったですね。
その時の記憶がずっと残っており、二人いる娘たちには、できる限り自分でやりたいことを見つけさせるようにしてきたつもりです。。と私は思っていますが、娘たちはどう思っているのか。。。
親の立場、娘の立場、いろいろあると思います。この本では、それに娘の友達、娘の友達の母親の立場も加わり、様々な人間模様が繰り返されます。
小説だからこそ体験できる、貴重な時間を過ごすことができました。今日は朝から雨降りで、一気に読み終えました。読書って、楽しいですね~
以下は気になったポイントです。
・妬む気持ちを前向きなパワーに昇華できないのは、大概、男性である(p83)
・我が子を支配していることに自覚のない母親が、自分も支配されていたという被害者意識に陥り、弱い自分を過剰に演出しながら、ますます子供を追い詰めている可能性がある(p184)
2017年3月26日作成
- 感想投稿日 : 2017年3月26日
- 読了日 : 2017年3月26日
- 本棚登録日 : 2017年3月21日
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