しがみつかない生き方: 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書 か 1-3)

著者 :
  • 幻冬舎 (2009年7月1日発売)
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本棚登録 : 2494
感想 : 418
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昨年(2009年)末に、テレビで勝間女史と討論していたを覚えていますが、 そのお相手であった香山女史によって書かれた本です。

勝山女史の主張と言えば、希望や目標をしっかり持って、常に上を目指して自立した女性を目指していこう!私は強制はしないし、自分のやってきた方法を公開します、という素晴らしく、マスコミ受けして、本を書くにも困らない題材のように思いますが、香山女史のこの本はそれに比べて、インパクトが少ないです。

しかし大半の人が挫折しているのが現実であることを鑑みて、その人達に温かいメッセージを贈って、「ふつうの幸せ」を手にいれるためのルールを解説しています。

私もあと15年は働かなければならない環境にありますが、香山さんの書かれたこの本はプレッシャーの常にかかっている社会人にとっても、それが男であっても温かいメッセージとして受け取ることができました。

以下は気になったポイントです。

・ふつうの幸せは手に入っていて、それ以上は特に望んでいるわけでもないのに、「これがいつまで続くか」「これで満足して良いか」を自問しているうちに、何が幸せなのかわからなくなってしまうという人がいる(p16)

・たとえ恋愛がうまくいかなくても、「ほかのすべて意味がない」「私は無価値な人」と考えてしまう思考スタイルから自分を解放する必要がある(p41)

・90年代半ば辺りから、学生の就職活動のあり方が変わった、書類選考でも面接でも自己主張、自己PRが必要になった(p56)

・面接官が本当に聞きたいアピールポイントは、「自分がこの社会の中のどのポジションにいるのか、それをわかりやすく記述する」こと(p57)

・自分を誇大広告的にまわりに見せるような仕組みを取り入れたところ、みんなが疲弊して部局の協調性がなくなった、結果として企業全体としてもマイナスの効果しか得られなかった(p65)

・この10年間におきた人間の狭量化を加速させた出来事は、01年9月の同時多発テロと、01年4月の小泉首相の始まり(p79)

・好き、嫌いといった感情なら瞬間的に決めるできるかもしれないが、それも時間の経過の中で変わることあり、ましてや「良い、悪い」という善悪、勝ち負けは、判断するのに時間がかかったり、評価が後になって逆になることもある(p82)

・たとえ入院して病院のベッドですごすことになっても、死後の世界をおおいに想像してワクワクした気持ちでいれば、「死ぬまで元気で楽しく」になれる(p97)

・人間は頭の中にタイムマシーンのようなものを持っていて、過去・現在・未来を自由に移動することができる、このとき感じる内的、主観的時間を「タイムライン」と呼ぶ(p104)

・仕事と適度な距離を持つ(本当に好きなものを仕事にしない)と、燃え尽きずに長く続けることもできる(p129)

・本格的に貧困に陥った人には社会プログラムにより救済の手が差しのべられるが、救済が必要な人(失敗しかけている、競争に参加できない、脱落した人等)に対しては、どうすべきかを考える必要がある(p190)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人生訓
感想投稿日 : 2012年2月14日
読了日 : 2010年3月6日
本棚登録日 : 2012年2月14日

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