※感想は最終巻(5巻)でまとめてアップします。
【読もうと思った理由】
各界著名人の方が絶賛しており、そこまで賞賛の声が多数あるのであれば、読みたい欲が当然のごとく、沸々と湧き上がってくる。
以下に一部ですが「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキーの人物に対する評価も含む)に対して、著名人の絶賛の声を転記します。
世の中には二種類の人間がいる。『カラマーゾフの兄弟』を読破したことのある人と、読破したことのない人だ。(村上春樹)
ドストエフスキーは、どんな思想家が与えてくれるものよりも多くのものを私に与えてくれる。ガウスより多くのものを与えてくれる。(アインシュタイン)
僕などドストエフスキーとはケタが違うけど、作家として一番好き。(黒澤明)
僕がドストエフスキイに一番感心したのは「カラマーゾフの兄弟」ね、最高のものだと思った。 アリョーシャなんていう人間を創作するところ……。アリョーシャは人間の最高だよ。涙を流したよ。ほんとうの涙というものはあそこにしかないよ。(坂口安吾)
『カラマーゾフの兄弟』や『悪霊』のような根源的な観念をまるで核の分裂のように吐きだせる人物を今の私の力倆ではとても、創作できるとは思えない。小説技術的にも何とすごい作家だと思った。その時はいつか、自分もドストエーフスキイのような小説を書くべしと思った。しかし、思えばそれは、こわいもの知らずであった。以来二十年、私ができたのは、結局、私の理想的人物を描いた作品に『白痴』からヒントをえた『おバカさん』という題名を与えたぐらいであった。
(遠藤周作)
【ドストエフスキーって?】
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
[1821-1881]ロシア帝政末期の作家。60年の生涯のうちに、以下のような巨大な作品群を残した。『貧しき人々』『死の家の記録』『虐げられた人々』『地下室の手記』『罪と罰』『賭博者』『白痴』『悪霊』『永遠の夫』『未成年』そして『カラマーゾフの兄弟』。キリストを理想としながら、神か革命かの根元的な問いに引き裂かれ、ついに生命そのものへの信仰に至る。日本を含む世界文学に、空前絶後の影響を与えた。
【あらすじ】
父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色極まりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが…。
【事前の予習不足を感じた部分】
本書巻末解説で、ドストエフスキーは晩年ロシア正教会に傾斜していたとあり、実際に第2編の「場違いな会合」で、教会と国家のどちらが優位とされるべきかをめぐり、かなりのページ数を割いて熱く議論される場面があった。ここは正直自分の知識不足がかなり露呈し、議論の核心部分の理解度が甚だ乏しいと言わざるを得ない。正直、「あぁ、もっと深掘りして予習しておくべきだった」と、めちゃくちゃ後悔した部分だ。
これから「カラマーゾフの兄弟」を読もうかなという方がもしいらっしゃれば、ロシア正教会の正統派ではなく異端派、かつ異端派の中でも、「鞭身派」と「去勢派」については、結構深掘りして予習し、本編に臨まれることを声を大にしてお伝えしたい。
ドストエフスキー文学の特徴として、自分の訴えたいことを登場人物を通して、これでもかという程、熱く、深掘りして訴えてくる。
なので読み手としてのこちらも、相応の準備をして望まないと、「よく分かんなくて、つまらない」と感じてしまう可能性が高まってしまう。
世界文学の最高傑作と喧伝される本作は、少しの予習をしてから本編に臨むのが、遠回りのようで、結局は最も近道だと経験上、肌で感じた。
まだ1/5しか読んでいないが、このままいくと過去読んだ小説の中で、最高傑作となる可能性が出てきたので、あと4冊楽しみでしかない。
- 感想投稿日 : 2023年4月20日
- 読了日 : 2023年4月20日
- 本棚登録日 : 2023年4月15日
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