カルト教団にハマっていく親に、違和感を感じながらも親を理解をしていく子供目線で語られるストーリー。
親がカルト教団にのめり込んでいったキッカケは、子供の皮膚病や病弱な体質が魔法の水で治ったことからだった。
家の私財をつぎ込んでいるからだろうか、うちはどんどん貧乏になり長女は家出。
家庭はいつ崩壊しても、おかしくない状況。
叔父や他人から親の怪しい言動を指摘されわかっているが、親を擁護する子供の気持ちが痛くさえ感じる。
親が否定されることは自分も否定されることだと子供心にわかるのだろう。
最後に流れ星を追うシーン。
見えた親と見えない子供、行き違いがいつまでも続く。
見えなかった子供は親が見えたと話す流れ星を一生懸命に探し、親に理解を示す子供の気持ちが描かれて物語は終わる。
家族の形を壊したくないと子供は本能的に思うのだろうか、奇妙な感覚になる。
親は子供にイビツな愛情を注ぐ、子供はそんな親のことをイヤだと思っても完全に離れることができない。
親への愛情と嫌悪感が押したり引いたり、そして砂磁石のように子供は親の元へ引き込まれていく。
たとえどんな親であっても、子供は親を信じ子供の時の記憶は楽しく永遠に持ち続けるのだろう。
家族とは、親とは、自分にとってどういうものか、考えさせられる本。
映画化もされている。
映像で見るのも楽しみな1冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年6月7日
- 読了日 : 2022年5月17日
- 本棚登録日 : 2022年4月23日
みんなの感想をみる