ポプラの秋 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1997年6月30日発売)
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本棚登録 : 3091
感想 : 346
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父親を亡くした少女。母と二人、ポプラの木があるアパートに移り住む。
そこで繰り広げられる大家のおばあちゃん、隣人との心暖まる交流を描いた話。

戸惑いや悩みを抱えながらも人を大切に思う気持ち、何かを守る気持ちが少女に芽生えていく、そんな場面をポプラの木が揺れる風や光、空気感を感じながら読めた。
隣人との関わりや、オサム君との遊び、おかあさんへの思い、おばあちゃんへの思いなど日々の思いをお父さんへ綴る手紙には涙腺が緩む。

ずっと少女目線で読んでいくが、最後のお母さんからの手紙でお母さんの娘への思い、お父さんへの思い、これまで生きてきた葛藤、苦難の時間を感じ、お母さん目線になる。

人は人を許し、受け入れながら前を向いて生きていく大切さを感じた。

読んでいて穏やかな時間が過ごせる本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年1月28日
読了日 : 2022年1月27日
本棚登録日 : 2022年1月11日

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