銀行を辞めざるをえなくなったエリート銀行員がタクシードライバーになってから自分の人生を振り返る物語です。
過去の自分の実績を褒めてくれる人はなく、転職したタクシードライバーの売り上げもまま成らず、不安や不満は過去の自分へ向けられていきます。
銀行を辞めなかったら、元カノと結婚していたら、懐かしい下宿時代に戻ってみたら、妄想の中で収まらない思いを自分の目で確かめに行動に移す主人公。
そこで見たのは、住んでいたアパートが老朽化で取り壊しになったり、全く成績が上がらなかったタクシードライバーの仕事が少しずつ軌道に乗ってきたり、時の流れと共に幾つかの偶然が自分の人生を作っていることでした。
あのときこうしていれば「たら」「れば」は、誰もが思うもの。
「今」より過去のあのとき、あの道を選んでいた方がよかったのか、、そう思いたい気持ちが深刻な気持ちにさせずユーモアのある描き方で書かれているのも魅力。
人生いろいろあっても「今」を丁寧に生きていくことが大事であることを教えてくれる本。
サラッと楽しく読めるのでおススメです!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年4月16日
- 読了日 : 2023年4月16日
- 本棚登録日 : 2023年3月8日
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