中井英夫の『虚無への供物』。現在活躍中の推理作家で読んだことのない人はおそらくいないのではないでしょうか。
この本は中井英夫と『虚無~』へ捧げられた一冊です。
ちなみに「凶鳥の黒影(まがどりのかげ)」は『虚無~』に出てくる探偵小説の名前です。
虚無の呪縛に絡めとられている執筆陣は以下のとおり。
赤江瀑、有栖川有栖、北森鴻、倉阪鬼一郎、竹本健治、嶽本野ばら、津原泰水、皆川博子、森真沙子がショートストーリーを、
恩田陸、笠井潔、菊地秀行、北村薫、長野まゆみ、三浦しをん、山田正紀がエッセイを書いています。
おそらくとても豪華なのでしょうが、実は有栖川さんと竹本さんしか作品を読んだことありません。あとは名前だけは知っている方と名前すら知らなかった方です。
どの作品も中井英夫と『虚無~』への愛とリスペクトにあふれているのを感じました。
私が『虚無~』を読んだことがあるのは好きな作家が好きな作品に挙げていたり、作中に名前がでてたりしたからです。
「アンチ・ミステリ」と言われている作品を読んだのは初めてで、正直なところ一度読んだだけでは全体像も理解できませんでしたが、今回この本を読んでその世界観はなんとなくつかめたような気がします。
中井英夫についても、元々は作家ではなく短歌雑誌の編集者で、寺山修司を世に送り出した人物だということもこの本で知りました。
もう一度『虚無~』を読みたくなりましたが、読み出すのにパワーがいるんですよねぇ。。。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリアンソロジー
- 感想投稿日 : 2010年9月27日
- 読了日 : 2005年9月17日
- 本棚登録日 : 2010年9月27日
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