一九八四年〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

制作 : トマス・ピンチョン 
  • 早川書房 (2009年7月18日発売)
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4

この世界が今とどれほど違うと言えるだろう。
民主主義であるから違うと言えるだろうか?

世界で戦争は無くならないし
政治家を選ぶ選挙はしても、官僚や法律を決める権利は
私たちにはない

なんで税金が増えたり、減ったように見えたり
公共料金が上がったり
給料上がらないのに
それでも、景気が上がってきてると言われたり
NISAの枠緩和も、ほんとに私たちのためなのか?

それを、一様にいい、悪いとメディアも煽る

もし、それがすべて誰かの
今のこの国の上層の思惑ならば
本当に怖い。
少なくとも、私には疑うことはできても
それを壊せる頭がない。

事実、考えることもあきらめ
仕方ない、なるほど、それがいいのか、悪いのかと
判断を煽られてる。

この本の内容が、もっと広く知れ渡り
民主主義とか社会主義とか
そんなくくりのいい悪いじゃなくて、
本当の平等や、自由
本当に戦争をなくす方法を考えたい。みんなで。

逆に、テクノロジーの進化した後のSFのディストピアのように、地球であーだこーだ言えなくなる未来になる前に。

とても哲学的で、SFと思って読み始めたけど
人類学的でもあり、社会学的でもあり
歴史学的でもあり、文学的でもあり
ホラーで、SFでもあるとかんじた。

ちなみに、
第1章では、これでもかと、時代背景、世界観を描く。
しつこいと思いつつ読むけど、そこまで憂慮していたのではないだろうか。当時のオーウェルが。
第2章は、物語的に光。
そして、第3章。光からどん底に落とされる。

だからこそ、この物語が真実味をおび、
恐怖を感じ、心に残るのだと思う。
万々歳で終わらないから、小説としては成功だろう
けど、
私的には、ひどくしんどかった。

もう開かないかもしれない。
動物農場の方が、優しく問うてくれる。
でも、読んでよかったと間違いなく感じてます。

SFの部類に入ってるのですが
思ったのと違って、今でも十分通用する
小説です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月25日
読了日 : 2024年3月25日
本棚登録日 : 2024年2月20日

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