上下巻を通じて、特にわたし(ユリコの姉)と和恵から醸し出されるえぐみを存分に感じ取った。2人とも、他人の目が気になって気になってしょうがないように見えるが、実際は周りからの視線すら正しく受け取れてない、ある種の独りよがり人間なんじゃないかなと思った。特に和恵の狂っていくさまは本当にえげつなすぎて気分が悪くなるほど。自暴自棄などと陳腐な言い方はできない。この物語の結末を作ったのは和恵だと思うし解説もそう言っている。和恵さん、この本でいちばん世界に爪痕残してるよ。嬉しい?
そして逆に、ユリコやミツルの印象はあまり残らなかった。それは私の考え方が近いからなのか、それとも、ユリコの姉や和恵に近いからなのか………
というか、なんとなくの印象でわたし&和恵・ユリコ&ミツルというグループ分けをしているけど、これもなんだか違う気がする…。とにかく、この本を読みながら思ったことが多すぎてまとめられない。小説をよんでここまで自分という人間について考えたことがあっただろうか?読後にムカムカ考えさせられる本は良い本、これは私の持論です。
どうでもいいことだけど、ユリコって名前を見て何度か小池都知事を想像してしまい、そのたびにかき消すのが大変だった笑。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年11月6日
- 読了日 : 2020年11月6日
- 本棚登録日 : 2020年11月1日
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