ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)

  • 岩波書店 (1967年4月16日発売)
3.58
  • (152)
  • (122)
  • (365)
  • (23)
  • (8)
本棚登録 : 2903
感想 : 152
4

ニーチェ 「 ツァラトゥストラ はこう言った 」上巻は キリスト教世界の価値観を批判し、超人という新しい価値観を創造。

時間概念も少し入ってきて永遠回帰につながる感じ。面白い。岩波文庫なのに 注釈が なくても読める。比喩の意味に迷う時もあるが、何となく 意味は理解できる

女性や戦争については 現代感覚とズレはある



蛇=永遠回帰の知恵の象徴
鷲=知恵を身につけた超人の象徴
太陽=超人〜人間は他人の幸福を妬むが 太陽は妬みを克服

「人間は克服されなければならない或物である」

ツァラトゥストラ「人間は 動物から超人へ わたる一本の網」
*この網は 超人へいたる希望の橋
*そこそこの幸福、理性、道徳に自分を軽蔑すること
*末人=軽蔑すべき おしまいの人間〜教養に満足している人間
*ツァラトゥストラ=永遠回帰を教える人

人間の精神の変化〜駱駝→獅子→幼な子
*駱駝=高みを目指す修行者〜駱駝は楽→駱駝は自己を無にして他者の命令に従う
*獅子=他人に従う自分を嫌がり、命令する竜(キリスト教の神)に飛びかかる→獅子の否定力は 自由を切り拓く
*幼な子=創造には 幼な子のような 無垢の肯定力が必要→獅子が幼な子に変身して初めて 人は自分の意志を意志する

人は戦いの備えがあって初めて 平和が可能になる

永遠回帰=運命を味方にする
*人間を過去の復讐心から解放するため
*自分の不幸を他人のせいにしないため
*いつか誰かが救ってくれる他人任せにならないため

永遠回帰のステップ
1.私はこれまでの人生を何度も繰り返し生きる(永遠回帰)と考える→この現実からの逃げ道は どこにもないことになる
2.永遠回帰を 喜んで欲する→永遠回帰を消化し 超人になる

永遠回帰=無神論的宗教
*世界は同一の状態を永遠に反復している
*世界は始まりも終わりもなく、目的も意味もない。ただ存在しているだけ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月23日
読了日 : 2019年7月25日
本棚登録日 : 2019年5月23日

みんなの感想をみる

ツイートする