マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (1992年11月30日発売)
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新潮文庫 塩野七生 マキアヴェッリ 語録

「君主論」「政略論」などマキアヴェッリ箴言集


〈君主篇〉
君主は、悪しき者であることを学ぶべきであり、それを必要に応じて使ったり使わなかったりする技術も会得すべきなのである

君主には、運命の風向きと事態の変化に応じて、それに適した対応の仕方が求められるである

征服国と被征服国の言語や風習が共通している場合、次の二点さえ守れば、征服者は被征服者と融合できる
一.昔からの君主の血統を根絶やしにする
二.そこの法律や税制に手をつけない

征服国と被征服国の言語や風習が異なる場合
一.征服者自身がその地域に移り住む
ニ.被征服国の重要拠点に移民の共同体を創設する

君主にとっての敵は、内と外の双方にある。敵から身を守るのは〜防衛力と友好関係である

人の上に立つ者が尊敬を得るには
一.大事業を行い、前任者とは違う器であることを示す
二.敵に対する態度と味方に対する態度を、はっきりと分けて示す

中立を保つことは、あまり有効な選択肢ではない〜中立でいると、勝者にとっては敵になり、敗者にとっては助けてくれなかったことで敵視される

優秀な指揮官は、必要に迫られるか、好機に恵まれるかしなければ、決して勝ちを急がない

指揮官は一人であるべき〜指揮権が複数の人間に分散されているほど、有害なことはない

人の運の良し悪しは、時代に合わせて行動できるか否かにかかっている

君主は、民衆がなにか誤りを犯したとしても苦情を言うことはできない〜大衆は統治者を模倣する

歴史は、われわれの行為の導き手である。とくに指導者にとっては師匠である

〈国家篇〉
改革の必要性は、初心に戻ることにある

国家が秩序を保ち、国民が自由を享受するには、清貧が最も有効

〈人間篇〉
運命は変化するものである〜自分流のやり方を続けても時勢に合っている間はうまくいけば、時代の流れにそわなければ失敗するしかない〜慎重であるより果敢である方がよい

人間は、運命に乗ることはできても逆らうことはできない

好機というものは、すぐ捕まえないと、逃げ去ってしまう

忍耐と寛容により人間の敵意を溶解できるなど思ってはならない
報酬や援助を与えれば、敵対関係を好転しうると思ってはならない

他者を強力にする原因をつくる者は、自滅する

人物を評価する最も簡単で確実な方法は、その人物がどのような人々と付き合っているかを見ることである

中くらいの勝利で満足する者は、常に勝者であり続ける

天国に行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである














読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年11月14日
読了日 : 2023年11月14日
本棚登録日 : 2023年11月14日

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