主人公は長宗我部元親の四男、長宗我部盛親。舞台は豊臣秀吉により全国統一され、一時の平安期を迎えている戦国時代末期から始まります。
物語の軸が戦いではなく、女性との関係を通し自分のなすべきことや自分自身を見出していくことに置かれ、新鮮でした。目まぐるしい時代の潮流に飲み込まれ翻弄される盛親が自問していく姿に人間味を感じる作品だと感じました。
一方で、中盤では蟄居を命じられるため読んでいてもどかしく、退屈になる部分もあったのでこの評価になっています。
戦国時代の華々しい小説ではなく、一人の人間を描いた魅力ある小説です。
戦国武将の一人を深く描いた作品なので、戦国ファンなら手に取って損はない作品だと感じました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史小説
- 感想投稿日 : 2023年6月4日
- 読了日 : 2023年5月14日
- 本棚登録日 : 2023年5月14日
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