林芙美子って、誰に植えつけられた印象だか、フーテンのだらしない人っていうイメージだったんだけど、この本で印象が変わった。彼女の作品を読んでみたいと思うようになった。
世の中にはどうしても放浪してしまう人がいる。本人が旅好きというのでなくても、落ち着くことと縁がない人というのがいるものだ。林芙美子もそんな人のような気がする。それは言い方を換えれば、常に変わろうとしている人ということでもあるのかな。
中井に彼女が建てた家へのこだわりや養子にした男の子と食事をしている写真などを見ると、ちょっとセンチな気持ちになった。「ああ、ようやく落ち着きどころが見つかったんだね」と。
ところで、エッセイ1編寄せただけで著者にされてしまうとは、角田光代さんが気の毒な気がしてしまう。こういう本の作りかたってしてほしくないな。本への信頼が揺らぐと思う。
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- 感想投稿日 : 2014年7月5日
- 読了日 : 2014年6月13日
- 本棚登録日 : 2014年6月13日
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