駆ける少年 (文春文庫 さ 21-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (1995年5月1日発売)
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本棚登録 : 247
感想 : 20
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「銀河の町」「駆ける少年」「痩せたせなか」を収録。鷺沢萠は早熟だったなあ。どれも二十歳そこそこの小娘とは思えない題材だよ。時代が今よりもっと軽佻浮薄な感じだったと思うんだけど、そのなかにあってどうして作品を書こうと思ったんだろう。こういう世界に関心をもったんだろう。
3つとも底に流れているのは、「あきらめる」「あきらめられる」「あきらめられない」ってことかなと思った。もちろん、「あきらめずに頑張らないとダメ」みたいな軽いメッセージじゃないよ。人はちょっとしたはずみで、自分でも知らないうちにあきらめてしまうことがある。あきらめようと思っても、あきらめきれないことがある。あきらめたかのように見えて、あきらめていないことがある。荒んだ情景のなかで、心の中にポッと光を灯すような佳作たち。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年4月22日
読了日 : 2012年4月19日
本棚登録日 : 2012年4月19日

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