岡本太郎と、その秘書であり養女であり伴侶だった岡本敏子が、人どうしの愛について語った言葉を方々から集めたもの。「芸術は爆発だ!」よりよっぽどいい言葉がたくさん詰まっている。
総じて、太郎より敏子の言葉のほうが熱くて、そして胸を打つ。愛している自信にあふれている。太郎のことを「好き!好き!好き!」「愛することができて幸せ!」「いとおしい」といった思いがほんの一言からバンバン伝わってくる感じ。それに比べると、太郎の言葉は、どこかで聞いたことがある感じ。ちょっと屈折している感じもするな。
これって、やっぱり女性のほうが気持ちの言語化が上手ってことだろうか。稀代の芸術家といえども、言葉のうえでは女性に分があり? あるいは、そのくらい敏子が太郎を愛していたということかもしれない。この本にも、「どんなに仲のいいふたりでも、必ずどちらかが満たされぬ思いをもっている。一緒であるってことはあり得ない。でも好きなの。」っていう言葉があるんだけど、そういうことだろうか。でも、この満たされぬ思いすら、幸せの一つのような気がしてくるかのような敏子の情熱。
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- 感想投稿日 : 2014年9月2日
- 読了日 : 2014年9月2日
- 本棚登録日 : 2014年9月2日
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