◯大変面白いが難解だった。
◯なんとなく箱男という匿名性と、「見る、見られる」の関係性がテーマであるということは読んでいて分かったが、中盤以降顕著になる語り手の入れ替わりが難解であった。
◯この辺り、文庫本巻末の解説が非常に明快で分かりやすく、箱男という小説の面白さを増してくれる効果すらある。
◯個人的な感想としては、書かれた当時とは時代が経っていても、変わらずに現代を風刺していると感じた。ネットなどの匿名性文化がまさに箱男であり、覗き見ることの快感は共通して理解できる部分である。
◯人間の心理的な部分を独特の筆致で暴いている点が新しく、しかし人間の心理だけに普遍であり、とても興味深い普及の傑作。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年3月17日
- 読了日 : 2020年3月17日
- 本棚登録日 : 2020年3月15日
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