箱男 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7751
感想 : 665
5

◯大変面白いが難解だった。
◯なんとなく箱男という匿名性と、「見る、見られる」の関係性がテーマであるということは読んでいて分かったが、中盤以降顕著になる語り手の入れ替わりが難解であった。
◯この辺り、文庫本巻末の解説が非常に明快で分かりやすく、箱男という小説の面白さを増してくれる効果すらある。

◯個人的な感想としては、書かれた当時とは時代が経っていても、変わらずに現代を風刺していると感じた。ネットなどの匿名性文化がまさに箱男であり、覗き見ることの快感は共通して理解できる部分である。
◯人間の心理的な部分を独特の筆致で暴いている点が新しく、しかし人間の心理だけに普遍であり、とても興味深い普及の傑作。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年3月17日
読了日 : 2020年3月17日
本棚登録日 : 2020年3月15日

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