日蝕 (新潮文庫 ひ 18-1)

著者 :
  • 新潮社 (2002年1月1日発売)
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本棚登録 : 1140
感想 : 134
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◯中世ヨーロッパの修道僧の視点であり、硬く見える文語調の言い回しなどは、その演出・表現として活きている。
◯退廃的かつ幻想的な世界において、神と見まごう出来事の中に自分を見てしまう当たりはまさに日蝕と感じさせる。
◯太陽・陽である神と、月・陰である人間が重なり、同円に多い尽くし、隠してしまう。人間を超越した存在を殺すことによる罪を人は背負わねばならない。
◯それは神の死んだ世界であるが、先の世における人間賛歌の時代までは、未だ感じさせられず、堕落し、退廃的な世界の暗さを感じながら生きねばならない。
◯ファンタジーではあるが、中世暗黒時代の肌感覚も感じられて面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月28日
読了日 : 2019年9月28日
本棚登録日 : 2019年9月26日

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