誰もがその名前を知っていながら漫画版の内容はあまり知られていない「デビルマン」。
子どもの頃読んだ「デビルマン」の衝撃は忘れられるものではない。永井豪は描いていた時、一種のトランス状態だったと言うが、「デビルマン」は面白いとかつまらないとかいうことと別次元の特別な作品であると思う。
人類が恐怖から憎悪に染まり殺戮に走る。その精神こそが悪魔である。ヒロイン美樹が八つ裂きにされるシーンの説得力がすごい。そして、最終戦争。対立や葛藤、そして破壊は繰り返される。
永井豪は様々な作品を通して現代社会、人間、日常に疑問を投げかけようとしたのではないか。「デビルマン」はその代表作だ。
「デビルマン」は思想史に残る作品である。
短すぎる、結末に救いがなさすぎる、と思う人は「デビルマン」の壮大な続編「バイオレンスジャック」を読むべし。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2012年10月23日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年10月23日
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