再び図書館で本を借りて読むなら、小学四年生だった私を読書好きにしてくれた本をもう一度読みたいと思い、探しました。大きな市立図書館には無く、小さな分館にて見つける事ができました。静かな分館は、この本に似合っているなと思いながら借りました。
学校帰りに見つけた不思議なお店〈レベル21〉。ちりん、ちりん……。ひんやりとした店の中。ポプリのいいにおい。小箱やアクセサリー、ミニチュアのお茶セット、さまざまな陶器や木彫りの人形が、ところ狭しと並んでいる。シルクハットを被った全身赤い服を纏った金色の巻毛のハンサム人形のネジを巻くとーー部屋の奥の黒いカーテンがさっとあいて、髪の長い、色の白い、きれいな女の人が現れてーー。
店を出ようとすると、何かがキラキラッと、まぶしく光った。小さな銀のスプーンだった。女の人は言う。「ちょっと、くわえてみて。」戸惑いながらもくわえると、なんともいえない安心感、幸せな気持が胸の底からわき上がってきた。「やっぱり、あなたのだったみたいね。」
「あなたはあなたよ。この世でたった一人の、かけがえのない、すばらしい存在よ。」
アンジュさんの言葉を長らく忘れていました。
ハーブティーは親に買ってもらわなければ手に入らなかった子供の頃に感じていたワクワク感とは違う角度から読めた気がしました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2022年1月6日
- 読了日 : 2022年1月6日
- 本棚登録日 : 2022年1月6日
みんなの感想をみる